先日、東大の初年次ゼミのゲストスピーカーとして、しゃべってまいりました。
スポーツサイエンスインタプリタ、をキーワードに、スポーツに、サイエンスやエンジニアリングをどう活かすかというゼミです。
スポーツに限った話ではないと思いますが、データ活用、みたいなことを考える際には、データ(=数字)の持つ意味を、過大評価・過小評価することなくそのまま理解した上で解釈する、ということが重要だと考えています。どんな人も、たとえ数字のプロたる研究者であっても、様々なバイアスを受けて、常に過大評価と過小評価を行き来することになるので、これはとても難しい作業です。
象徴的なのは、キリがいい数字、に纏わる神話です。
・100m走のタイムにおいて、10秒が人類の壁だと認識されていた時代は誰もが苦戦し、誰かが10秒を切ると、続々とベストタイムが更新されていく
・日本では980円を、アメリカでは$9.99を、お得に感じてしまう
・TOEICのスコアで、654→692よりも、683→702といった変化に、充実感を感じてしまう
冷静に考えると、多くの数値目標は、合理的でなかったりします。
数値データにしなければ見逃す要素も多くありますが、同時に、数値にした途端、データは意図せぬ影響を方々に与えはじめます。
こういった、数字の魔力、に関して、データサイエンスを学ぶ際は、常に意識する必要があるのではないか、とかなんとか、思っております。
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