論文書きについてのお話です
論文では、結果を書く際に、主観的な表現を使わず、客観的に事実を書く必要があります。科学的な文章書きの初歩として、レポート作成などを通して、客観的事実を書く技術と重要性は学んでいることを大前提とします。
大学院生になって、論文を書く際は、もう少し高度な技術として、事実を客観的に書きつつも、そこに自分の主観的な意見やストーリーを反映させる、ということをやることになります。事実でストーリーを語るには、2つの技術があって、1つ目は1つの文章内での表現方法に関するもので、もう1つは、文章の並べ方に関するものです。今回は、とりあえず、1つの文章で、というお話。
認知言語学でよく出てくる例として、Is the glass half full, or half empty? というものがあります。この二つは、それが表す物理的な状態はいずれも同じで、事実を客観的に書いた文章であると言えます。しかしながら、この二つは、明らかに、それを書いた人のものの見方というか、価値観が反映されています。従って、論文を書く際は、これらのいずれもが許容されます。一方で、unfortunately, the glass was half empty というような表現は、主観的な文章なのでで、論文として不適切です。
客観的事実としては、half fulでありhalf emptyなのですが、どちらを選ぶのか、というところに著者の主観的な意見が反映されています。自分が書く時は、そのつもりで、文章表現を吟味する必要があります。
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