日本ではハゲタカジャーナルの名で知られる predatory journals
金を稼ぎたい出版社と、(怪しくても)業績(の数)が欲しい研究者の思惑が一致した、怪しい雑誌の総称です。
速い話、クオリティはどうでもいいから金払ってくれたら載せるよ?、っていう雑誌です。
真面目にやってる人からすると迷惑以外の何物でもなく、気づかずに投稿しちゃったりすると恥ずかしいので、
ブラックリストに載ってる雑誌を避ける、ホワイトリストに載ってる雑誌に投稿する、みたいなことをします。
で、そのブラックリストが、https://beallslist.weebly.com/ で、ここには Frontiers というところも、入っているわけです。
Frontiersに対しては、私自身は、自分が投稿していたりもするので、どちらかというとセーフ、というスタンスです。
コンセプトが違うんですよね。
学会・アカデミーが、その歴史に裏付けされた権威でもって、journalを運営する、というのが旧来のスタンスで、
Frontiersなんかの、最近のオープンアクセス誌は、(下っ端を含めた)研究者がオープンなコミュニティーを維持する、というような感じです。
ダメな論文(やそれを書く研究者)は、そのうち淘汰されるでしょ、的な。
良くも悪くも、研究者コミュニティーに丸投げで、出版社としてのFrontiersは、システムを提供するだけ、なわけです。
ただ、このシステム利用料が高い…
20万円とかするので、日本の今のシステムだと、科研費が取れないと出せない、若手や基盤Cでも複数報の投稿はかなり苦しい。
私はオープンアクセスの理念には賛同ですし、それが今後なくなるとは思えないので、
↓のようなオープンソースのシステムができて、金銭的負担が軽くなってくれると嬉しいですね。
※ 従来型の歴史ある出版社は、そういうところはそういうところで、大学の図書館相手にウチの論文見たかったら大金払え、と言ってくるわけなので、どっちもどっちなんですよね。
貧しい国・大学・研究者は論文が読めない、というのは極めてまずいので、その点の醜い争いでは、論文の質にばらつきがあったとしても、OAのコンセプトに分があるように思えます。